YAMA-NAVI > 山での注意

山での注意

山での注意

| マナーやルールを守って、安全で楽しい登山を!

登山は自然を相手にするスポーツです。自然はやすらぎをくれる一方で時に脅威にもなります。登山をするときは十分にマナーやルールを守って、安全で楽しい登山をしましょう。ここでは、Q&A方式でやさしく解説しています。

Q. 晴れていても雨具は持っていった方がいいの?

▲TOP

低山ハイキングでも必ず持っていきましょう。山の天気は本当に変わりやすい。上下セパレートタイプのレインスーツと折り畳み傘がおすすめです。雨具がなくてびしょぬれになっては、楽しめる山も楽しめません。自分は母に借りた古いカッパを使用したら…、防水が全く効いていなくてひどい経験をしたことがあります。防水も忘れずに!

Q. 雨具は傘だけじゃだめ?

▲TOP

傘では手が片方ふさがってしまうので、すべって転んだりした時に手がすぐにつけなくて非常に危険です。また、強風の場合はほとんど役に立ちません。山道ではレインスーツやポンチョなどを使用し、傘はできるだけ使わないようにしましょう。ただ、休憩時や林道など比較的整備された道では大活躍です。レインスーツの他に折り畳み傘などをザックの取り出しやすい場所に入れておくと便利です。

Q. 疲れない歩きかたってあるのですか?

▲TOP

歩き始めは気があせって早歩きになりがちですが、ペースをつかめるまではゆっくり過ぎるくらいを心がけて歩くようにしましょう。一歩一歩の幅を狭く、息が上がらないよう心がけて静かに足を進める気持ちで。階段状になっているところで歩幅が自分に合わなくて辛い場合、無理に階段に合わせず階段の横の土手部分をうまく使うということもできます。一歩を大きく出すと非常に疲れるので、”小さな階段状の足場”を自分で見つけて歩いた方が足に負担がかかりません。

Q. 上手なパッキングの仕方(荷物の詰め方)は?

▲TOP

底部に軽い物や使用頻度の低い物(例えば寝袋・防寒着など)、上部に重い物や頻繁に使う物(水・雨具など)を詰めましょう。左右のバランスも重要で、置いた時にザックがきちんと自立するのが理想的です。左右のバランスが悪いと、工程が進むにつれて身体に負担が蓄積して辛くなってきます。ザックの腰ベルト、胸ベルトもしっかり絞り、体にぴったりフィットするようにすること。

Q. 登山前のトレーニングは必要ですか?

▲TOP

まったくの初心者であれば、いきなり山に行くのは避けたほうが良いです。まずは街中の10kmをピクニック気分で歩いてみたり、階段などを一段飛ばしで登ってみたり、腿上げ・踏み台昇降など、普段あまり使っていない筋肉を使った運動をしたほうが、当日登る際に非常にラクになります。また、筋肉痛の具合もトレーニングのありなしで大分違います。筋力に自信がついてもいきなり目的の山に登るのでは無く、日帰り出来る低山を何度か登り、徐々にランクを上げていくのがよいでしょう。

Q. どんな服装で行けば良いですか?

▲TOP

登山中は冬でも町中ではなかなか体験できないくらい汗をかきます。直接肌に触れる下着やシャツは速乾性の物が良いでしょう(ユニクロなどで売ってますね)。ズボンはストレッチ性のあるものがよいです。ジーパンなどは乾きにくく、ヒザの動きが悪くなるので避けましょう。基本的に夏山なら長袖のTシャツ、フリース。秋冬はそれにダウンジャケットをプラスして考えると良いでしょう。レインウェアもいざというとき立派な防寒着になります。

Q. 山でのマナーってあるの?

▲TOP

特にこれといった事柄は無いですが、すれ違いざまの「こんにちは」と言うあいさつは気持ちのいいものです。狭い登山道などではお互い譲り合って谷側などの危険な場所には待機せず、状況を見極めて道を空けるようにしよう。ゴミはなるべく出さない工夫をし、必ず持ち帰るようにしましょう。また、貴重な高山植物やそれ以外の動植物は持ち帰ったりせずに、眺めて楽しむだけに留めましょう。「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」で、ある。なるほど〜。

Q. 熊は出ますか?

▲TOP

山で出会う可能性のある危険な動物の代表に熊がいる。しかし出会い頭にばったり会うような場合で無い限り、向こうから積極的に襲ってくることはまず無いだろう。急な遭遇を避けるためにザックに熊よけの鈴をつけたり、数人で話をしながら歩いたりとこちらの存在をアピールしながら歩くと向こうから逃げてくれる。もし、遠くに熊がいた場合は、いきなり走って逃げ出すのではなく木の陰に隠れてゆっくり後ずさりしながら静かにその場を離れよう。熊は木登りが得意なので木には登らないように。

Q. 入山時に登山届は書くべきですか?

▲TOP

登山口付近に登山届ポストがある場合は、必ず出すようにしましょう。万が一遭難した時に、登山届けにある程度のコースが明記してあれば捜索もしやすく発見される確立が高くなると言うことです。日帰りの経験のあるコースでもどんなアクシデントがあるか解らないので必ず書くようにしましょう。同時に自宅の人にも山行の計画を解りやすく伝えておいた方が良いでしょう。

Q. 地図はどれを買えば良いですか?

▲TOP

一枚物の地図で、国土地理院発行の「地形図」、これに登山道の状況やコースタイムが載っている「登山図」が良い。縮尺は1/25000,1/50000のものを。一般的に街中で使うような冊子形式の道路地図は避けましょう。

Q. 水はどのくらい持っていけば良いですか?

▲TOP

行動中には大体1.0〜1.5リットルくらい。甘すぎるジュースや炭酸飲料は避け、お茶やスポーツドリンクがよいでしょう。上手な水分摂取は喉が渇く前に少量飲むこと。すぐに取り出せるところに入れておいてこまめに摂るように心がけましょう。ハイドレーションシステムはザックの中に容器をしまったままそこから伸びるチューブで歩きながらでも簡単に水分摂取ができるのでおすすめです。前日からいつもより余分に水分を摂っておくことも良い。

Q. 山小屋にゴミは捨てても良い?

▲TOP

営業小屋で買った飲み物の容器なども持ち帰ってくださいと言われる場合も多々あります。基本的にはゴミは捨てずに全て持ち帰ろう。

Q. 山小屋は予約なしでも泊まれるの?

▲TOP

基本的には命にかかわるので泊まれる。しかし繁忙期などでは収容人数の関係で難しい場合もあります。事前に電話などで確認した方がよいでしょう。

Q. 高山病は何mからなるの?

▲TOP

個人差や天候・状況などから一概にこの高さからとは言えないが、2000m位からかかってしまう可能性もある。症状としては頭痛、悪寒、めまい、動悸、吐き気、食欲不振など。ひどい場合は肺気腫で命を落とすこともあるので軽視は出来ません。もし高山病になってしまったら高度を下げること。予防法としては寝不足をしない、食事をしっかり摂る、バスやロープウェイで一気に高度を上げた場合はすぐに登りださず、その場で30分くらい休憩やストレッチをして事前に身体を慣らしておくとよいでしょう。

Q. 山行中に雷に遭ってしまったら?

▲TOP

夏の暑い盛りにはよく入道雲が発生する。その下では激しい雨と場合によっては落雷などが起こっています。それらに遭わないために天気の変化には十分注意をしましょう。頭上を急に黒い雲が覆って大粒の雨粒がポツポツ降ってきたら、雷雲の下にいると考えてすぐに避難しましょう。見通しの良い原っぱや尾根筋を避け、小屋の中や樹林帯に逃げ込もう。この時傘を差したりステッキを頭上に掲げたりしないこと。金属、非金属に関わらず突起物は避雷針の替わりになってしまいます。木の下に入る場合も一番高い木は避け、低い木の下でも幹から2mくらい離れ、低い姿勢をとる事。

Q. トイレのチップは払うべき?

▲TOP

払うべき。山では街中とは違い下水などの整備がない。しかし最近では微生物などを使ったバイオマス浄化槽を使った快適なトイレも増えてきました。そうではない場合でも使わせてもらうお礼と思って、きちんと払いましょう。

Q. 道に迷ったらどうするの?

▲TOP

まずはとりあえず休憩でもして気持ちを落ち着けること。あせって解らないまま進んでも遭難の危険があるのでやめよう。来た道を戻り、現在地を把握できるところまで行って地図で間違いが無いか確認してから行動しましょう。下山中に道に迷ったら無理して降りるのでなく、頂上まで登り返す勇気も必要。