登山のガイドや雑誌を見ていると…わからない用語が出てきた!「馬の背」?「カール」??何のことやらさっぱり…。という時には調べましょう!言われてみればなるほどと頷ける用語、そういうことなのね、と感心する比喩的用語。これを知ったらあなたも山マスターに近づくこと間違いなし!?
名称 |
説明 |
アイゼン |
雪上や氷の上を登る時に、靴底につける滑り止めの用具。スパイク(爪)の数によって、登る山のグレードが決まる。一番少ない4本爪の物は軽アイゼンと呼ばれ、夏の雪渓歩きや雪上ハイキングに使用される。 |
アウター |
上着。または外側に着用する物(二枚重ね時のグローブやソックス等)。逆に内側に着用する物をインナーと言う。 |
アプローチ |
自宅から登山口に至るまでの行程。単にその間の交通手段を指す場合もある。 |
天蓋(雨蓋) |
トップロード式ザックの蓋。またはその蓋にあるポケット。 |
アルピニズム |
高山至上主義。より高い山を登ることを至上とする考え。 |
アンダー・シャツ |
肌着。または吸汗即乾性素材のTシャツ。 |
鞍部(あんぶ) |
コルやタワ(乢)とも言う。同一尾根上にある隣り合った二つのピークの凹部。そこを山道が越えていたら「峠」と言う。 |
一本立てる |
小休止のこと。 |
ウェディング・シューズ |
フェルト底の沢のぼりに使用する靴。この靴を履く際は専用の防水ソックスを履く。 |
右岸(うがん)/
左岸(さがん) |
谷や沢、川から下流方向を見た時、向かって右側が右岸、左側が左岸。よって、遡行時には左右が逆になる。 |
牛の背 |
幅広の尾根のこと。 |
畝(うね) |
尾根のこと。 |
馬の背 |
痩せ尾根のこと。更に切り立った岩尾根は「ナイフ・リッジ(リッジは尾根の意)」と呼ぶ。 |
エスケープ |
元々は「避難・回避」の意。何らかの事情で本来予定していたコースを途中で中断した時に、最短で下山出来るコースに変更すること。そのコース(ルート)のことをエスケープ・ルートと言う。 |
オーバー・ハング |
庇状に覆い被さっている岩壁。またはその様を言う。 |
名称 |
説明 |
カール |
氷河の浸食で半球状に削り取られた地形。 |
ガス |
霧の俗称。霧がかかることを「ガスる」と言う。 |
肩 |
山頂に近い所に張り出した平坦な尾根。「肩の小屋」など。 |
釜 |
渓谷等にある水の浸食作用で円形にえぐられた淵。滝壷を指す場合が多い。 |
茅戸 |
茅が茂ったなだらかな尾根。 |
空池(からいけ) |
長雨時以外は水のない池。 |
ガレ場 |
岩や石がごろごろしている箇所。その様を「ガレている」と言う。砂礫地の場合はザレ場と言う。 |
観天望気 |
雲や風等の自然の状況を判断して天候を予測すること。 |
灌木(かんぼく) |
低木のこと。 |
ギア |
用具の意。 |
キック・ステップ |
雪の斜面をつま先を蹴り込みながら、登る方法。 |
切り通し |
尾根と交差する形で掘り下げて、通れるようにした箇所。 |
キレット |
岩尾根が鋸歯状に切れ込んで、低くなった所。「切戸」と書く場合もある。 |
クレバス |
雪渓等の深い裂け目。 |
ケルン |
石を積み上げて道標の代わりとしてある物。 |
GORE-TEX
(ゴア・テックス) |
リテトラフロロエチレン・フィルムを延伸加工したフィルムと、ポリウレタンポリマーを複合した極薄フィルムで、防水透湿素材の代名詞的存在。一層から三層構造のものまである。 |
コース |
登山道のこと。道のあるなしにかかわらず、その進路のことを「ルート」と言う。 |
コース・サイン |
進路を示す目印。赤テープやケルン、鉈目、ペンキやスプレー書きされた○×や矢印等。 |
ゴーロ |
岩や石がごろごろしている沢。 |
コッフェル |
登山用鍋。クッカーとも言う。 |
コブ |
尾根上の小ピーク。 |
ゴルジュ |
沢の両岸の絶壁が狭まった所。「廊下」とも言う。 |
名称 |
説明 |
ザイル |
登攀用ロープ。 |
山行(さんこう) |
登山をしに行くこと。または登山そのもの。トレッキング。 |
山座同定(さんざどうてい) |
目視出来る周囲の山々の山名を確定すること。 |
三点支持 |
岩場等を登る際、両手両足の接地点を四つの点とした時、一点のみを動かして登っていく方法。 |
シーム・シーリング |
縫い目の目止め加工。ゴア・テックス等の防水素材であっても、縫い目から水が浸透するので、シーム・シーリング・テープを蒸着させて、防水性能をアップさせている。尚、レイングローブやスパッツ等には構造上、このテープ加工が施されてない場合が多い。 |
シャリばて |
空腹でばてること。シャリ(舎利)は米飯の意。 |
シャワー・クライム |
滝の飛沫を浴びながら登ること。 |
ジャンクション・ピーク |
複数の方向から集まってくる尾根の合流地点にあるピーク。 |
シュラフ |
寝袋。 |
シュリンゲ |
岩登り等で、支柱となるものに巻きつける、輪状にしたロープ。普通のロープのロープ・シュリンゲと平たいテープ状のテープ・シュリンゲがある。スリングとも言う。 |
小休止 |
10分以下位の短い休憩。昼食等30分以上位の長い休憩は「大休止」と言う。 |
背負子(しょいこ) |
荷物を背負うために、フレームで作られている背負い具。 |
森林限界 |
高山の森林成育の限界。標高が高くなると風や気温等により、高木は育たず、笹原になることが多い。 |
スーパー低山 |
標高数百メートル以下の山のこと。超低山。春野は標高200メートル未満の山をウルトラ・スーパー・低山(U.S.L.)と名付けている。文章では「超々低山」と記すこともある。 |
図根点(ずこんてん) |
平板測量を行う際の位置の基準点。三角点と酷似した標石の場合が多いが、希に平面の円形金属標の場合もある。森林管理局(旧山林局)や市町村が埋設。森林管理局の地図では、自局が設置した図根点は三角点マークを逆さにしたマークと略称番号で表わしている。 |
スタッフ・バック |
ザック内の小物や衣類を収納するのに便利な、巾着型のナイロン製の袋。 |
スラブ |
手足をかける所がない、表面が平らな一枚岩。 |
雪渓 |
谷間等にある万年雪。 |
双耳峰(そうじほう) |
動物の耳のように、平坦な同一尾根上にある二つの峰。 |
遡行(そこう) |
沢を遡ること。 |
名称 |
説明 |
ダイヤモンド・ダスト |
冬の寒い朝に、空気中の水分が氷結し、太陽光に反射してキラキラ光る様。 |
探勝 |
名勝探訪の意。自然の美しい地を訪ねて歩くこと。そのために設けられた道を探勝路と言う。 |
池塘(ちとう) |
湿原等に点在する小さな池。 |
出合 |
沢の合流地点。水量が同じ沢同士の場合は「二俣」と言う。 |
デポ |
車やザックを一時的に置いて目的地に行くこと。 |
徒渉 |
川や沢を歩いて渡ること。 |
トラバース |
直上が難しい場合、山腹や谷の斜面を水平に横に進むこと。頂上を巻くようにして山を越すルートを「トラバース・ルート」或いは「巻き道」と言う。 |
ドリーネ |
カルスト地形で、摺り鉢状になっている所。池になっている場合もある。 |
トレール |
元々は山道の意。藪や雪上、地面に残った人の歩いた跡。 |
トレッキング |
山歩き。元々はヒマラヤ等の高山の麓を長期徒歩旅行すること。そういう人をトレッカーと言う。 |
名称 |
説明 |
鉈目(なため) |
鉈(なた)等の刃物で木につけた目印。 |
滑(ナメ) |
一枚岩の上を水が滑らかに流れている所。 |
ナロ |
平らになっている地形。また、その様。 |
ヌタ場 |
猪等の動物が体を冷やしたり、ノミを取るために泥浴びする小さな湿地。 |
名称 |
説明 |
パーティー |
登山時のグループ。 |
幕営(ばくえい) |
テントを張ること。幕営地のことを幕場(まくば)とも言う。 |
パッキング |
ザックへ物を詰めること。 |
バリエーション・ルート |
一般的なルート(コース)ではないルート。 |
ピーク・ハント |
登頂のみを目的とした登山形態。その登山者をピーク・ハンターと言う。 |
ヒュッテ |
山小屋のこと。 |
伏流 |
沢の流れが川底に隠れて流れている様。 |
ブッシュ |
藪のこと。ひどい藪は「猛ブッシュ」と言う。 |
踏み跡 |
登山道ほどはっきりしてないが、人の通った痕跡が分かるという程度の道。踏み分け道。 |
ブロッケン現象
(ブロッケンの巨人) |
高所で、自分の前方に霧や雲がある時、太陽光を背に受けると、前方に光の輪が出来、その中に自分の影が映る現象。「ブロッケン」は山名。 |
へつり |
足場の狭い岩壁の迫った水際や山道を、へばりつくように横に進むこと。動詞形は「へつる」。 |
ホールド |
岩登りをする際の、手がかり(掴み場所や手の置き場)。足がかりは「スタンス」と言う。 |
歩荷(ぼっか) |
重い荷物を背負って山小屋等へ運び上げること。また、その人。 |
ホワイト・アウト |
濃霧や吹雪で視界が真っ白くなり、何も見えなくなること。 |
名称 |
説明 |
マイナー山(さん) |
一般的に知られていない山のこと。無名峰。広くは知られていなくても、地元では有名な山の場合もマイナー山として、分類する。 |
巻く |
難所や滝、山頂等を避けて迂回して登ること。 |
名称 |
説明 |
落石 |
「ラク」と声がかかったら、落石があることなので注意。 |
ラッセル |
深い雪をかき分けて進むこと。 |
稜線 |
一番高い山と山を結んだ尾根。主尾根とも言う。支尾根や尾根の総称を「山稜」と言う。 |
リング・ワンデルング |
輪形彷徨。進路を見失い、同じ場所を周回すること。かなりのパニックになる。 |
林道 |
主に林業用に作られた車道。専用国有林道(国有林区域で一般車両の通行が禁止されている区間の林道)は未舗装の悪路である場合が多い。林道より道幅が狭かったり、悪路の場合は民有林区域内では「作業車道」と呼ばれ、国有林内の場合は「軽車道」と呼ばれる。 |
ルート・ファインディング |
進路、ルートを選定すること。またはその技術。 |
レイヤード |
合理的重ね着。気温や運動量の変化に応じて、服を重ね着したり脱いだりして、体温調節を行うこと。レイヤードを行うことを「レイヤリング」と言い、肌着若しくはその上に着る服を第一(ファースト)レイヤー、中間着を第二(セカンドORミドル)レイヤー、上着を第三(サード)レイヤーとして分類する。 |
名称 |
説明 |
ワカン |
雪の上を歩くための輪状の歩行具。「輪かんじき」の略。 |
ワンダー・フォーゲル
(ワンゲル) |
史跡・旧跡等を訪ね、自然を観察し、各地の風俗・習慣を学ぶ、20世紀初頭にドイツで起こった青年運動。 |